最近では一般家庭用に取付けが簡単な鍵がたくさん発売されておりますが、
今回は楽天やAmazonで販売されているURO電子工業の「UROLOCK(ウロロック)」という製品を紹介いたします。
「UROLOCK」の評判や価格、また製品の特長を知ることが出来るだけでなく、
他の鍵を検討する際の「一つの基準」として、判断材料にすることも出来ますのでぜひ最後までお読み下さい。
結論を先にお伝えすると、本製品は他製品と比較して「おすすめ出来ない」という評価となりました。
また、本製品は2010年に販売終了となっており、現在販売があるのは「在庫のみ」という形になっています。
2021年3月には、販売元のサポートも終了していますので、ご注意下さい。
UROLOCKの特徴
UROLOCKは付属のICカードで施解錠操作をすることが可能な「カード錠」になります。
最近ではスマートロック(電子錠)製品が人気で、この定義は「スマートフォンを介して施錠解錠できる」というものですが
その本質は「従来のキーを使わないことで利便性を高める」というものになりますので
従来のキーではなく、カードで施解錠が出来るUROLOCKもスマートロックの一つと言うことが出来ます。
カードで施解錠
カードでの施解錠操作を具体的に言うと、UROLOCKを購入すると付属品として付いている専用ICカード2枚があり、
それをドアの室外側にあるアンテナ(受信機)部分にかざすことでUROLOCKが反応、
施錠や解錠を行えるということになります。
この方式はオフィスなどによく使われているイメージがありますよね。
カードはオプションで追加購入が可能で、必要に応じて本体へ登録・削除が出来ます(最大10枚まで)。
鍵穴の無い補助錠
玄関のドアを防犯強化する際の基本は1ドア2ロック、
つまり1つのドアに鍵を2つ設置することが重要と言われていますが、
このUROLOCKはその2つ目の鍵となる補助錠の役目をする製品です(後付けタイプの補助錠)。
前述したように付属のICカードで施解錠操作を行いますので、UROLOCKそのものに鍵穴は付いておりません。
鍵穴がついていないということは、ピッキングやバンピングと呼ばれる不正解錠に対しては効果が高く、
その点ではとても安心して使用出来るといえます。
簡単に設置可能
このUROLOCKの大きな特徴の一つが簡単にドアに設置(取付け)することが出来る点です。
通常の後付けタイプの補助錠はドアに穴を開けたりする必要がありますが、このUROLOCKはそれが不要で、
ドアを傷つけることなく設置することが可能ですので、賃貸物件などには重宝します。
設置は製品に付属されている強力両面テープを使い、本体・アンテナ・受け金具をドアや枠に貼り付けるだけです。
取付ガイドも付属されておりますので、設置そのものは難しくありません。
(ネジを使って、より頑丈に取付けすることも可能です)
防犯アラーム機能付き
このUROLOCKは、ドアの室外側のアンテナ(受信機)部分が、何者かによって破壊されると大音量のアラームが鳴るようになっております。
大きな音は不正侵入を試みる犯罪者が最も嫌がる要素の一つなので、防犯の観点からすると良い機能と言えます。
UROLOCKの評判と価格
UROLOCKの販売価格は楽天などを拝見するに、3〜4万円程度となっております。
評判としては「簡単に取付け出来た」というものもあり、やはり施工性が高いのが最大の魅力になっているようです。
ただし、レビューの分布を見てみるとその評価にはバラツキが見られます。
決して良い評価が多いわけでも少ないわけでもなく、平均評価も3の数値です。
良い製品のレビューの形は逆三角形型が基本なので、評判は「普通」ともいえるでしょう。
注意点
ではここからはこのUROLOCKを購入する前に知っておくべき注意点をいくつか紹介します。
防犯の観点から見て重要なポイントもありますので、確認してみて下さい。
販売・サポートが終了している
まずはそれなりに高価な製品なので気になる、販売とサポートの終了。
サポートが終了しているということは、製品に何か不具合があっても相談できるところがないということです。
また、この製品が販売終了となったのは2010年とだいぶ前のことになりますので、
そんな昔の製品をいまだに数万円で販売している楽天やAmazonの販売店は
とても無責任であるというのが、個人的には感じているところです。
取付け出来ないケースもある
UROLOCKの最大のメリットの一つである「簡単な取付け」ですが、ドアの種類や材質、また形状によっては取付け出来ない場合があります。
例えば内開きのドアには対応していませんし、引き戸にも取付けは出来ません。
また両面テープで設置する場合、木製の扉だとすぐに剥がれてしまいますので注意しましょう。
専用のICカードのみ利用可
冒頭で少し触れたスマートロックの場合であれば、ICカードはマイフェアやフェリカなどに対応していることがほとんどですが、このUROLOCKは専用のカードのみしか使えません。
従ってお持ちの交通系ICカード(PASMOなど)をキー代わりに使用することは出来ません。
簡単に設置出来るが、防犯性と耐久性は低い
両面テープで簡単に設置出来るということは、逆に言うとそのテープの粘着力以上の力を加えれば、強引に外すことが出来るということを意味しています。
従って両面テープでの設置は、シリンダーを丸ごと交換するような場合と比較すると、防犯上おすすめは出来ません。
またこのUROLOCKの場合はドアの外側にアンテナがくるような状態にあり、それが両面テープで貼っているだけの場合は、なおさら防犯上はあまり優れているとは言えないでしょう。
また室内側のUROLOCK本体と、ドアを挟んで外側のアンテナを繋ぐ配線はほとんど剥き出し状態ですので、配線が少しでも緩んでしまうと、ドアを閉める際にドアの枠にあたってしまい、配線が擦り切れて断線などの不具合を起こす可能性もあります。
総評:素直に他社製品を買うべし。
今回はURO電子工業のUROLOCKというカード錠について解説しました。
最終的な結論としては「おすすめ出来る製品ではない」ということになります。
理由は既にお伝えした「注意点」の項目を読んでいただければ分かるかと思いますが、
家の玄関に設置する鍵としては防犯性に大きな不安が残ります。
両面テープで簡単に取付け出来るというのは確かにメリットではありますが、それはそのまま耐久性の問題や、防犯上のデメリットにもなります。
そもそも家の大事な「鍵」を両面テープで取付けるという発想は、利便性を求めるためのものであり、防犯の観点からすると少なからず問題があります。
「空き巣なんて今まで入られたことないから大丈夫」と思っている方が多いかもしれませんが、
入られるときは入られますし、実際にその被害は毎日100件以上、日本のどこかしらでは起こっています。
そもそもメーカーが10年以上前に販売を終了している製品です。
素直にやめておきましょう!
この製品の現状・クオリティ対して価格が3万円も4万円もしているのは、販売店の思惑としかいいようがありません。
今や簡易錠は沢山の企業から販売されており、その相場は1〜2万円程度ということを踏まえても、必然的に評価が低くなってしまいますね。
これがもし5千円以下で、家の室内扉(間仕切り)用の鍵ということであれば、メーカー販売が終了となっていたからといって、コンセプト的には十分購入しても良いレベルかなという感じです。
残念ながら今回は厳しい評価にせざるを得ませんでしたが、「防犯性と価格はどうでもいいから、とにかく簡単に取付け出来るカード錠が欲しい」という人にとっては、ニーズを満たした製品になるかもしれません。
ただそれ以外の人の場合にはおすすめは出来ないといえるでしょう。
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