電子錠と電気錠・・・
名前は似ていますがその違いを明確に答えられる人はあまりいないと思います。
本サイトでご紹介しているものは、いわゆる電子錠、
つまり「スマートロック」のことです。
今回は、電子錠と電気錠、2つの鍵の違いを、鍵の知識がまったく無い人でも分かるように、
そして事例を交えながら解説していきます。
特にこれから電子錠(スマートロック)か電気錠を購入して、ご自宅への導入を検討している方は
今回の内容をしっかり理解することで、どちらが本来の目的にぴったり合うのかといったことが分かりますので
ぜひ最後まで読んでみて下さいね!
電子と電気は、電気の供給元が異なる
まず大前提ですが、電子錠(スマートロック)と電気錠はどちらも「電力」を使って動作します。
ただし、一番大きな違いはその電気の供給源、つまり電源にあります。
電子錠(スマートロック)は本体に乾電池を入れることでそれが電源になりますが、
電気錠は外部から電源を取る必要があります。
外部というのは分かりやすく言うとコンセントから電源を取るような形です。
つまり電池=工事が簡単、電気=工事が大変というのが、基本的なイメージとなります。
電源の違いによって費用の差が大きくなる
ここで感の良い方ならお気づきになるかと思いますが、
電子錠(スマートロック)と電気錠の電源の違いは、設置費用の差に直結してきます。
電子錠(スマートロック)は本体と市販の乾電池があれば動作しますが、
電気錠の場合は本体、制御盤、電気ケーブルなどが必要で、さらに配線工事が必ず必要になります。
配線の流れを簡単にいうと「電気錠⇒制御盤⇒電源」となります。
これだけで費用が高くなるの?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、
電気錠本体・制御盤・電気ケーブル以外にもコンセント、通電金具、コネクターなど細かい部品がたくさん必要になり、
さらに施工は必ず有資格者が行う必要がありますので、作業費も比較すると高くなります。
電子錠(スマートロック)と電気錠の選び方
ここまでは電子錠(スマートロック)の方が費用がかからないので電気錠よりも優れているように感じますが、
どちらを選ぶべきかは「どこに設置するか」をしっかり判断しなければ
後々トラブルに見舞われる可能性があります。
選ぶ基準:使用頻度
例えばですが、数人の家族と暮らす自宅であれば使用頻度が多くなることはありませんので
特別な理由がない限りは電子錠(スマートロック)を選ぶ方が費用を抑えられますし適切です。
設置後は暗証番号やICカード、またスマホで鍵の操作が出来るようになりますので
日常生活自体はとても便利にすることが出来ます。
一方で、例えばマンションなどの集合住宅の入口や裏口となる共用部に電子錠(スマートロック)を設置してしまうと
あっという間に壊れてしまう可能性があります。
これはたくさんの人が出入りするので使用頻度が高くなり、乾電池ではすぐに持たなくなるのに加え、
電子錠(スマートロック)自体の耐久性もその使用頻度に見合っていない為です。
その他にも多くの従業員が出入りする中規模以上のオフィスや工場、その他の施設などのほとんどは耐久性の高い電気錠を選ぶ必要があります。
選ぶ基準:耐用年数
実は電気錠に関しては「日本ロック工業会」という団体が「通常使用で7年間の耐用年数が必要」というガイドラインを定めています。
そして、各メーカーもそれに準じた製品を発売しているのが現状です。
もちろん使用頻度にもよりますが、初期不良や施工不良がなければ多くの人が使う環境でも5-10年と使えるケースは一般的で、
場合によっては15年という長い期間でも問題なく使えたというケースもあります。
ちなみに電子錠(スマートロック)の方はそもそも中規模以上の施設での使用環境を想定していない為、
そういったものはありません。
電気錠には、より多くのオプションが選択可能
電子錠(スマートロック)はシンプルに玄関の鍵をキーレス化出来ますが、
電気錠の場合も暗証番号や専用のカード等でキーレス化でき、この部分は共通しています。
ただ電気錠をそのように使うには、カードリーダーや暗証番号入力用の部品が別途を別途必要になります。
ちなみに電気錠には、その他にもいろいろなオプションを追加することで、様々な運用を行うことが可能になります。
例えば大きな家に住んでいる場合は、玄関以外の場所から鍵の施解錠を操作することも出来ます。
この場合は別途スイッチをその場所に設置することで、
2階の寝室などの玄関から離れた場所にいても来客があった際にインターホンのカメラで確認してからそのスイッチを押すことで鍵の施解錠が出来るようになります。
これによりわざわざ玄関まで行く必要がなくなりますので利便性が高まります。
高齢者や障害があって思うように動けない方にとっては、とても助かる機能ですよね。
その他にもタイマー機能を追加して、特定の時間になったら施錠を自動的に行ったりするような運用方法も可能で、
様々な施設などで、その環境に応じた便利なシステムを構築することも可能です。
とはいえ、現在の電子錠であれば全く同じような機能が搭載されている機器も多いので、
最近ではこのメリットも薄まりつつあるのが、正直なところです。
その反面、電気錠はシンプルに運用するにしても導入費用は数十万円ほどかかり、
規模が大きくなったり複雑なシステムを組むと数百万円かかったりますので
費用の面からも一般家庭においては、そもそもあまり採用されることがありません。
電子錠(スマートロック)と電気錠のトラブル時の違い
最後に電子錠(スマートロック)と電気錠のトラブル時の違いを説明します。
電子錠(スマートロック)は配線がなくシンプルですので、
万が一トラブルが発生した時も本体の修理、もしくは交換することですぐにまた使用することが出来ます。
また電池切れで鍵が開かなくなった場合なども別の方法で物理的に解錠出来る機能が備わっていることが多いので
比較的、安心して使えます。
電気錠に関しては本体、制御盤、配線、その他オプションと様々な部品によって構成されていますので、
トラブルの原因がどこにあるのかを探るにも知識と経験のある専門家が必要で、
原因によっては修理費用も高くなることがあります。
また停電時に予備電源に自動的に切り替わらないような構造の場合は、電気が供給されませんので
電気錠として使用出来なくなるといったトラブルもあります。
この辺りは施工方法や電気錠の種類、制御盤の設定で状況は変わりますが、
施工する人だけでなく、実際に使う人も緊急時に電気錠がどんな状態になるのかは予め知っておく必要がありますよね。
まとめ
ということで、電子錠と電気錠の違いをサクッとまとめてみました。
これを見ると分かるように、基本的には一般家庭であれば、電子錠で十分だというのが結論です。
お金持ちでコストを考慮しない家庭や、不特定多数が利用する大きな施設のオーナーなどが、
電子錠を利用するといったイメージですね。
使用する人数や環境、また予算をよく考慮した上でどちらにすべきかを決めることが大切になります。
基本的に一般家庭や小規模なオフィス、施設は電子錠(スマートロック)で十分対応でき便利に使えるケースが多く、
運用管理や費用面でも負担を抑えられることが多くなります。
本記事でスマートロックを買うべきだと分かったら、次はどんな機種を選ぶのか
決めていくことになります。
取り付け方法別にランキングを作成してみましたので、参考にしてみてくださいね!
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