自宅の防犯強化は、財産を守るだけでなく自分や家族を危険から守るという意味でも、とても重要なことでもあります。
しかし一般家庭でありがちなのは、玄関ドアの鍵をスマートロックなどの防犯を重視したものへと交換して、それで安心してしまうパターンです。
もちろん玄関はもっとも防犯強化すべきポイントであることは間違いありませんが、
実は玄関鍵の交換以外にも、対策しておくべき場所はいくつかあります。
そこで今回は、自宅の玄関以外に、防犯対策しておくべき2ヵ所と、
それを行う上で考慮すべき3つのポイントを、防犯設備士の私が解説していきますね!
どこを中心にどんな防犯強化すべき?
まず具体的に家の玄関以外のどこを防犯強化すべきかということですが、勝手口(裏口)と、もう一つは窓の2ヵ所です。
つまり、自宅の防犯力を高めたければ「玄関、勝手口、窓」に対策を施すことで、
とても効果的な防犯対策が出来るということです。
当たり前ですが、基本的に屋外に繋がる部分というのが、泥棒が室内に入り込む隙間になりますよね!
どんなことに注意して対策を行う必要があるかということについては、
これは「時間・光・音」と言う3つのポイントに沿って考えていく必要があります。
これは防犯対策を考える上で基本的なものなのですが、一般的にあまり認知されていません。
ここで一緒に確認していきましょう。
泥棒が嫌がる「時間・光・音」
「時間・光・音」 の「時間」というのはつまり「不正侵入するのに時間がかかることを嫌がる」ということ、
そして「光」というのは「不正侵入する際に明るい環境を嫌がる」ということ、
最後の「音」というのは「不正侵入する際に音が出るのを嫌がる」ということです。
つまりこれらをうまく利用することで不正侵入を防ぐことはもちろん、
対策を施した家は、泥棒のターゲットにもなりづらくなります。
これら3つを行っておくだけで、空き巣泥棒は大切な我が家を狙わずに
「他の家にしよう・・・」と侵入前から意気消沈させることになります。
泥棒が嫌がる「時間」の対策
時間への対策は勝手口ドアやガラス窓についている鍵の防犯性能と、ドアやガラスそのものの強度も関係します。
勝手口の鍵は玄関の鍵と比べて、比較的安くて防犯性能の低い鍵がつけられているケースが多くありますね。
中にはピッキングと呼ばれる方法によって1分くらいで痕跡を残さずに不正解錠出来るものもあり、
そうすると鍵をかけている意味は元々防犯目的なのですが、ほとんどその意味を成さなくなってきます。
そのため、まずは鍵をピッキング対策された鍵に交換する必要がありますよね。
ちなみに簡単にピッキング出来る鍵を不正解錠した後に「鍵を使わずに外部から施錠」することも、
大抵の空き巣犯は同じように出来ますので、空き巣に入られたこと自体に気付かないケースもありますから気をつけて下さいね。
またガラス窓に関しても、鍵(クレセント)をかけていたとしてもガラス窓を上下左右にゆすることで鍵が解除出来るケースもあります。
この場合はクレセントの交換は必須です。
予算に余裕がある場合は窓用の補助錠をつけたり、ガラス自体も防犯フィルムや防犯ガラスに交換したり、
外格子を後付けしたりするのが理想的です。
泥棒が嫌がる「光」の対策
これはモーションセンサーライトを勝手口や窓付近に取り付けることで対策出来ます。
モーションセンサーライトとは、人の動きを検知して点灯するライトのことです。
泥棒が近づいてきた時にこれが正常に動作すると、それだけで非常に効果的です。
泥棒の立場としては、わざわざ明るく照らされた場所で不正侵入を行おうとは思わないですからね。
あと、夜間は家の中の電気を全部消さないようにしたいところでもあります。
あまりにも家の中が真っ暗の場合は完全に住人が寝ているか、
外出して不在だと思われる場合がありますので、いくつか窓に明かりが漏れるくらいの電気は付けておくことが
防犯上は望ましいです。
泥棒が嫌がる「音」の対策
音に関してはセンサーアラームをつけることで対策出来ます。
センサーアラームとは、ドアやガラス窓が不正な振動を検知した時に大音量のアラームが鳴る装置で、
これはドアやガラス窓に普通に貼り付けるだけで設置することが出来るタイプも多いですのでおすすめです。
ただしあまり安価なものを購入すると誤作動したり、逆に肝心な時に動作しないという場合がありますので
出来るだけ高性能なものを買うようにしたいところです。
防犯カメラについて
ここまでは「時間・光・音」という3点について解説しましたが、そもそも防犯といえば思い出すのは防犯カメラ、
「じゃあ防犯カメラはどうなの?」と思われる方も多いと思います。
防犯カメラの最大の特徴は「防犯カメラがある」という点で、まずは犯罪の抑止力になり、
さらに実際に不正侵入などの犯罪が起こった際の証拠や犯人への手がかりになりますので
とても効果的なアイテムです。
ただしこの説明からも分かるとおり、直接的に犯罪を防ぐという性質ではありませんので
防犯カメラを設置しただけで満足するのは間違いです。
適切な設備を導入した上で、防犯カメラを設置するのが順番です。
防犯はとにかく、費用がかかります。
安全はお金で買えると言われる由縁ですね!
防犯アドバイス
ここまで読んでいただくと分かるかと思いますが、防犯対策というのは実はいくら対策をしても終わりはなく、
対策すればするほど費用がかかってくるという側面を持っています。
一般的な家庭の場合は全てを高いレベルで行うことは難しいことがほとんどになりますので、
ある程度は妥協しながら、出来る限りの防犯対策を進めていくようにしなければなりません。
決して、費用をケチったおかげで高くついた・・・ということがないように考えていきたいですね。
補足(玄関ドアの防犯対策)
あと最後に補足ですが、今回いろいろ書きましたが玄関ドアの防犯対策はそもそもいちばん大事なポイントになるので、
まずは一番最初に、対策を行っておくようにしましょう。
家の玄関というのは人の出入りが一番多くなりますので、他の場所とは少し違った考え方で対策することも求められます。
例えば防犯対策として、玄関ドアに鍵を3つも4つも設置する人が稀にいますが、
それが典型的な間違ったやり方で、実際のところ鍵はドアに2つあれば十分です。
それ以上あったとしても、ただ不便さが増すという結果になります。
玄関の防犯に関しては必ず「防犯性・利便性」という2つの側面から考えるようにしましょう。
おすすめはやはり、シリンダー交換型スマートロック(電子錠)、もしくは補助錠型のスマートロックです。
これらの製品であれば防犯性を高く保ったまま、利便性までも向上させることが可能です。
特に玄関は泥棒などの犯罪者から目に付きやすいですので、
スマートロックのような最新テクノロジーを使った鍵がついていることで、
泥棒も侵入を躊躇し、抑止効果が高くなります。
今回、玄関の防犯についてお伝えしたのは、意味があります。
それは玄関というのは「その家の防犯意識を最も表す場所」だからです。
ここがしっかりしていないと泥棒のターゲットにされる可能性が高まりますので、
勝手口や窓にも注意しながら、玄関もしっかり対策することができれば、日々の安心にも繋がるでしょう。
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